琉球大学耳鼻咽喉科

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初期研修について 後期研修について

■ 初期研修について

■A 経験すべき診察法・検査・手技
■基本的な身体診察法
1

病態の正確な把握ができるよう、身体診察を系統的に実施し、記載するために、

  1. 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握を含む)ができ、記載できる。
  2. 頭頸部の診察のうち、外耳~鼓膜、鼻腔、口腔咽頭、喉頭の観察、頸部リンパ節、甲状腺の触診ができ、記載できる。
  3. 脳神経や小脳領域に関連した神経学的診察ができ、記載できる。
2

基本的な臨床検査

病態と臨床経過を把握し、医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を、自ら実施し、結果を解釈できる。
それ以外に、検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

  1. 単純X線検査(頭頸部)
  2. X線CT検査(頭頸部)
  3. MRI検査(頭頸部)
  4. 細菌学的検査(咽頭、耳、鼻副鼻腔からの検体採取)
  5. 内視鏡検査(鼻副鼻腔、咽喉頭など)
  6. 超音波検査(頸部)
3

基本的手技

基本的手技の適応を決定し、実施するために、

  1. 注射法を実施できる。
  2. 導尿法を実施できる。
  3. ドレーン・チューブ類の管理ができる。
  4. 胃管の挿入と管理ができる。
  5. 局所麻酔法を実施できる。
  6. 創部消毒とガーゼ交換ができる。
  7. 簡単な切開・排膿を実施できる。
  8. 皮膚縫合法を実施できる。
  9. 軽度の外傷の処置を実施できる。
4

基本的治療法

第2章「初期臨床研修の目標」と同様である。

5

医療記録

第2章「初期臨床研修の目標」と同様である。

■B 経験すべき症状・病態・疾患
1

頻度の高い症状

  1. リンパ節腫脹
  2. めまい
  3. 聴覚障害
  4. 聴覚障害
  5. 嗄声
  6. 嚥下困難
2

緊急を要する症状・病態

  1. 外傷
  2. 誤飲、誤嚥
3

経験が求められる疾患・病態

  1. 悪性リンパ腫
  2. 中耳炎
  3. 急性・慢性副鼻腔炎
  4. アレルギー性鼻炎
  5. 扁桃の急性・慢性炎症性疾患
  6. 外耳・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物
■指導体制
1

責任者体制

耳鼻咽喉・頭頸部外科での研修における管理運営は研修総括責任者が担当する。研修指導全体を総括しての責任は研修指導責任者が負い、定期的に指導医及び研修医との研修指導に関わるミーティングを開催する。指導医は研修医が受け持つ患者の診療に直接参加し、研修医の診療場面での責任を担う。

  1. 研修総括責任者: 鈴木 幹男(耳鼻咽喉・頭頸部外科教授、診療科長)
  2. 研修カリキュラム責任者: 真栄田裕行(講師、医局長)
  3. 研修指導責任者: 喜友名朝則(助教、病棟医長)
2

チーム医療の体制

担当医(研修医)→主治医(経験7年未満の助教・医員)→指導医

3

検査・治療の指導体制

聴覚検査など非侵襲的検査:単独で行い結果の解釈を指導医らに確認。生検など侵襲的なものは指導医の監督下に行う。鼓膜切開、鼻出血など簡易な手術や処置は指導医の監督下に行い、鼓室形成術や副鼻腔手術、悪性腫瘍手術などは指導医の助手として参加する。

4

研修医1名当たりの指導医数:1~2名

5

担当患者予定数:40~60人(新患20~30人)

6

達成度のチェック方法

自己評価と指導医による項目別(診察法、検査、診療録管理など)の3段階(目標に
到達、目標に近づく、達しなかった)評価を行う。

7

総合的評価

上記の達成度に加え、医療チーム構成員としての協調性や、EBMに基づく診療実践のための情報収集能力などの評価

8

緊急時の対応

医員、助教以上の教官が常時対応できる診療体制を整えている。

9

その他

■研修方法
1

オリエンテーション

配属初日に行う。外来、病棟診療における諸注意、医局の週間スケジュール、文献検索の指導を受ける。

2

病棟研修

8西病棟、1西病棟で行う。39床を有する。処置は特別に設けた処置室で行っている。

3

外来研修

1階耳鼻咽喉科外来で行う。耳鼻科特有のユニットや顕微鏡、内視鏡に慣れる。

4

術前カンファレンス・症例検討会(頭頸部外科・形成外科合同カンファレンス)

水曜日午前7時から行う。

5

放射線療法・化学療法カンファレンス

頭頸部腫瘍症例の治療法について、放射線科、血液内科と合同カンファレンスを行う。毎週水曜日午後5時30分から実施

6

抄読会

毎週水曜日朝に行う。

7

ケースレポート

外来、病棟から随時症例を抽出し、症例検討会時に行う。

8

回診・検査・手術

回診は月の午前8時、木の午後3時から行う。

  1. 検査 随時
  2. 手術日 月、火、金
9

当直

原則的にないが、担当患者の容態等によっては指導医とともに任務に就く。

■ 後期研修について

1.診療科の特色

耳鼻咽喉科は頭頸部領域の多岐にわたる疾患を担当し、多くの感覚器(聴覚、前庭覚、嗅覚、味覚、視覚など)を取り扱う感覚器外科として他科と一線を画しています。耳鼻咽喉科は大きく耳科学、鼻科学、喉頭科学、形成外科を含む頭頸部腫瘍学の四つに分けることができますが、めまい・耳鳴やアレルギー性鼻炎など内科的治療が中心となる分野と、中耳炎、副鼻腔炎、頭頸部腫瘍など手術治療が中心となる分野があり、当科では内科的スキルと外科的スキルの両者をバランス良く携えた医師の育成に努めています。耳科学分野では中耳炎に対する鼓室形成術,高度難聴に対する人工内耳手術、メニエール病に対する内リンパ嚢手術を多く行っています。突発性難聴に対しては高圧酸素治療を取り入れ治療成績を向上させています。鼻科学分野では、内視鏡を使用した低侵襲手術を導入し、特に全国に先駆けナビゲーションシステムを利用した内視鏡下副鼻腔炎手術・副鼻腔腫瘍切除術に取り組んでいます。喉頭科学分野では,各種疾患による嗄声や嚥下障害の診断・治療を行っています。頭頸部腫瘍学分野では、機能・形態の温存と根治性向上を両立させるため、化学療法・放射線療法・手術療法を適宜組み合わせて治療しています。また放射線科・内科とのカンファレンスを通して治療の質を高めています。頭頸部腫瘍手術では最新の遊離組織移植術を用いて機能再建を行い従来の有茎皮弁術に比べより良い形態・機能を提供しています。当科は形成外科を兼ねており同じ医局内で耳鼻咽喉科と形成外科はボーダーレスに診療しているため、形成外科手技を学ぶことができます。耳鼻咽喉科は医師数に較べ扱う疾患が多く、小さな施設では充分な研修をおこなうことが難しい領域です。当科では関連病院を含め一般疾患から難治例まで幅広く研修することができます。

2.診療科の社会的ニーズ・必要性

当科は沖縄県の地理的条件から県内の全ての難治性疾患に対して高度医療を行う社会的使命を負っています。特に人工内耳手術に関しては県内唯一の医療機関であり、産婦人科・小児科・地域の療育機関・ろう学校を含む教育機関と協力して乳幼児聴覚スクリーニングシステムを構築し、診断後の治療までスムーズに移行できるような体制を整えています。また、高齢化に伴い、感覚器障害を持つ患者様が増加しています。例えばコミュニケーション障害(老人性難聴など)、嚥下障害・嚥下性肺炎は現在大きな社会問題となっています。耳鼻咽喉科医は感覚器を取り扱う専門医として感覚器障害の診断、治療の中心を占め、社会のニーズに応えています。

日本人死因の約30%は悪性新生物であり、頭頸部悪性腫瘍も増加傾向を辿っています。頭頸部領域は感覚器としての側面に加え、摂食・発声・呼吸など重要な機能を担い、複雑な解剖・神経機構を有するため、この部位の悪性腫瘍の治療にはそれらに精通した耳鼻咽喉科医師が行う必要があります。

この他にも沖縄県では他府県と比し炎症性疾患(中耳炎、副鼻腔炎、扁桃炎など)、アレルギー性鼻炎症例が多いため、耳鼻咽喉科医が活躍できる場が数多くあります。しかし、耳鼻咽喉科医数はまだ需要を満たしておらず将来性がある分野です。

3.一般目標
日本耳鼻咽喉科学会が定めた専門医試験に合格する知識と技術を修得する。
個々の患者の社会的背景や家庭の事情を考慮した患者本位の医療を考える。

修得できる資格(認定医等)

日本耳鼻咽喉科学会専門医

日本形成外科学会専門医

日本気管食道科学会専門医

頭頸部がん専門医

がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)

補聴器適合判定医

騒音性難聴担当医

4.対象疾患

中耳炎、高度難聴、メニエール病、突発性難聴、顔面神経麻痺、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、扁桃炎、咽喉頭炎、睡眠時無呼吸症候群、嚥下障害、音声機能障害、鼻副鼻腔腫瘍、頭頸部良性腫瘍、頭頸部癌(上顎癌、舌癌、扁桃癌、喉頭癌、咽頭癌、甲状腺癌など)、唾液腺疾患、先天性顎顔面疾患、顎顔面外傷、形成外科疾患、再建外科疾患一般

5.関連(研修)病院

県内

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター、県立中部病院、県立北部病院、県立宮古病院、那覇市立病院、中頭病院・ちばなクリニック、浦添総合病院、豊見城中央病院、ハートライフ病院、沖縄赤十字病院、名嘉病院、中部徳洲会病院、南部徳洲会病院、公立久米島病院、南部病院、名護記念クリニック、海邦病院、沖縄第一病院、沖縄メディカル病院、与勝病院、西崎病院、同仁病院、真栄城耳鼻咽喉科

県外関連病院、大学院生派遣

愛知県がんセンター中央病院、がん研有明病院、りんくう総合医療センター・市立泉佐野病院

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